評価 : 4.8
もくじ
コケエ州立公園 地図
広域図
拡大図
ピヘア・トレイル(ピヘア・ビスタまでの往復) Pihea Trail (to Pihea Vista)
情報が古くなっています。情報の相違にご注意ください。
出発地点はプウ・オ・キラ展望台。ピヘア・トレイルは、往復7マイル(11.2 km)、時間にして5~6時間の長距離トレイルですが、今回は景色の良い序盤部分のみ(ピヘア・ビスタまでの往復を)歩いてみました。
美しいカララウ渓谷を見下ろしながら、渓谷をぐるりと囲む尾根伝いを歩く気持ちの良いトレイルです。そう、途中までは。
※ 地形は Google Maps の Earthビューで見ると分かりやすいです。なお、この地図上でのルートは、ピヘア・ビスタへの分岐点までのみ表示しています。
絶景の前半!
まずは出発地点のプウ・オ・キラ展望台へ。ここが出発地点だなんて、なんて贅沢なトレイルなんでしょう。
ピヘア・トレイル
展望台からの景色
道は赤土。展望台を出発し、崖っぷちに立ったり写真を撮りながら、のんびりと歩きました。ところどころ景色が開けており、飽きることはありません。立ち止まっては写真ばかり撮ってしまうので、距離のわりには時間が妙に掛かります。
緩やかなアップダウンあり
道は多少のアップダウンがありますが、気になるのは高低差よりも赤土の方でした。私のカウアイでの初ハイキングが、このピヘア・トレイルなのですが、赤土がここまで厄介だとは!
赤土の道は乾いていればフカフカしていますが、湿ると大変。粘土のようなベタっとした質感になり、踏み固められている部分が非常に滑りやすくなります。
赤土は滑りやすい
ぬかるんでいる場合は、一見それほどドロドロしてなさそうに見えても、踏むとブヨブヨ。水がじわじわと浮き出てくる…。しかも、この辺りは雨が多いので、乾いている事はあまり期待できません。
もし転んだら??汚れた服は二度と着られないかも。一度赤土が付いてしまうと、こびり付いて取れません。赤土のトレイルでは、お気に入りの服は避けたいところ。
歩き始めて25分
歩き始めて25分。渓谷が良い感じで見えています。こんな景色の良いトレイルはなかなかないですよね。空は近くに感じられ、渓谷の雲は沸いたり消えたり動きがめまぐるしい。このトレイルの、湿っているけど爽やかなこの空気感が凄く好き。
空が近くに感じられる
渓谷は雲の動きが目まぐるしい
歩き始めて50分。渓谷の中央辺りまで来たでしょうか。
歩き始めて50分
崖っぷちは清々しい
横から見ると、こんな場所
しばらく歩いていると、ところどころ悪路に。道の真ん中に大きな水たまりが出来ていたりして、避けて通るのが大変です。こんな時にあると便利なのがステッキ。何と頼りになることか。ハワイ島のトレイルでは必要と思ったことはありませんが、カウアイを歩くならば必需品です。
トレイルは森の中へ
これまで崖伝いに伸びていたトレイルですが、次第に崖から離れ森の中へと伸びています。
道は更に悪くなり、どうしても水たまりの中を通らなければならない場所もありました。ステッキを駆使したり、落ち葉を水たまりに撒いたり、何とか工夫して汚れないように歩きます。しかし、どう足掻いても靴は赤土まみれに。靴も赤茶色のものがオススメですね。
泥でグチャグチャ
泥に気を使いながらも、トレイル沿いに咲く花を楽しめます。可憐なレフアの花に癒されました。
レフアとミツバチ
泥と格闘の後、ピヘア・ビスタへ続く道との分岐点が現れました。引き続きピヘア・トレイルを歩くのならば右へ。こちらはアラカイ・スワンプ・トレイルと交差するポイント、アラカイ十字路へと繋がります。
分岐点(トイデジ画像のためレトロ写真)
今回はピヘア・ビスタを目指しているので、そのまま直進。ピヘア・トレイルから外れます。そして、ここからの道のりが何ともエグい…!
泥まみれの後半戦!
この程度は序の口
高低差のある殆ど壁(!)みたいな難所を、乗り越えなければなりません。
例によって赤土は湿ってツルツル。両手を使わなければ登れない。頼りになるのは周辺に生えている草木くらい。土から剥き出している根に足を掛け、手で掴みながら何とかよじ登る感じです。軍手があったら便利でしょう。
立ちはだかる壁。よくこんなところを登ったもんだなぁ…
この先、道は一度分岐しますが、どちらを通っても問題ナシ。また一本の道に戻ります。私達はとりあえず右の道を選びました。(後述しますが、実は左の道の方がお薦めルート。)
立ちはだかる「壁」を幾つかやり過ごし、ピヘア・ビスタにようやく到着!私達は、もはやドロドロ。カウアイ島までやってきて、一体何の修行なんだろう??(←カウアイでこう思ったのは、ここだけではない。)
そして、ピヘア・ビスタから望める景色がこちら。
ピヘア・ビスタからの景色
悪戦苦闘のわりにはご褒美が少ない模様。それでも達成感だけは素晴らしい!三角点も見つけました。
ピヘア・ビスタの三角点
ピヘア・ビスタ周辺は狭いうえ草木に囲まれており、のんびりできる雰囲気ではありません。少しだけ景色を堪能して、来た道を戻ります。
今度は、先程の分岐のもう一方のルート(ピヘア・ビスタから見て右の道)を歩いてみました。こちらの方が、ぬかるみも少なく歩きやすい。しかも、景色も良いときた。ピヘア・ビスタよりも、この道での眺めの方が印象的でした。
渓谷の左側の部分がよく見える
切り立った渓谷
相変わらずツルツル赤土には苦労させられましたが、一度経験して肝も据わったのか、帰路は往路よりも余裕をもって歩けたと思います。
途中、歩きながら尾根の先を眺めると、かなり遠くの崖っぷちにチョロチョロと小さな人影が見えました。もしかして、出発地点の展望台かな?
その距離と景色から、私達が結構遠くまで歩いたこと、どんな場所を歩いてきたのかを視覚的に実感することができます。それも印象に残った景色の一つでした。
遠くに見えるのは展望台?
そして、展望台へ無事到着。疲れたーー!距離は短いのに、まるで修行のようなトレイル。特にあの壁はマゾい。実にマゾいです。もう一度ピヘア・ビスタまで行きたい!とは到底思えません。
ですが、歩いてみてよかった。この場所は、カウアイ島の大自然がギュッと凝縮されています。美しい景色だけでなく、自然の厳しさも教えて貰えました。まるで島から洗礼を受けているかのように。
なお、このトレイルは崖っぷち伝いを途中までゆる~く歩くのが一番楽しめるでしょう。無理しないで歩いてみて下さいね。